■波も風もやや落ち着きを取り戻しつつある西表島。
■これから夏に向けて連撃をしかけてくる台風を、力石のブタ抜きのように、スルッスルッとかわしていく事ができればいいのになと思う。
■朝の時間、思い立ったように走り出す。
■それと同時に近くで「チチチ・・・」という鳥の鳴き声と思われるBGM。
■そんな心地よい声援に後押しされつつ、足を止めずに走る。
■(こんな鳴き声の鳥いたっけ・・・)
そんな疑問を感じつつ、時計を見ながら速度を緩め、立ち止まる。
■さっきまで聞こえていた心地よいBGMはいつの間にか消えて、朝の静寂が周囲を包む。
■一息ついて歩き出そうとしたとき、同じ鳴き声が微かに耳に入る。
■また足を止めて、今度は念入りに周囲を観察してみる。
■(相手はかなり賢い)
心の中でつぶやきながら、その気配を感じさせない見えない相手に感嘆する。
■あきらめの溜息と共に、また歩き出す。
■そして思い出したように、さっき拾ったポケットの鈴を、服の上から何度もグーで叩く。
「チ、チ、チ、チ、、、」
■相手を賢いとか思う前に、もっとも愚かな存在がここにあるのだと思う。
Decchi W
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